大学を卒業して、秋本陸のことを忘れようとした。仕方がないことだと、割り切ろうとした。


けれど……大園明里と職場が同じだと知った時、とてつもない嫌悪感が私を襲った。

もちろん私だって最初は何も考えないように努力した。



なのに、あの女は私のいつも上を行くのだ。
私がどれだけ努力しても、あの女は私よりいつも上にいるのだ。

私より人望も厚く、周りから仕事ができると慕われている。


秋本陸とも別れることなく、長く続いているようだ。


恋愛も仕事も何かも順調な明里。

それとは真反対な私。
比べれば比べてしまうほど、憎らしくなった。

どうしてあの女ばかり幸せになる?
どうして?



私は、許せなかった。

私の方が努力しているのに。
私の方が愛想良くしているのに。
私の方が先に好きだったに違いないのに。


どうしてあの女ばかり!!!!!!!


気づけば私は、明里に復讐をすることしか考えられなくなっていた。

復讐をする為だけに明里に近づき、明里と仲良くなったのだ。

……絶対に追い詰めて追い詰めてボロボロにしてやる、そう思いながら。



私はぎゅっと拳を握りしめながら、戒めのように過去を振り返った。