「もう向日葵が咲いてるんだね」 「そうですね、高校の向日葵もそろそろ咲くんじゃないですか」 当たり障りのない会話、遠い距離。 本来はこれが適正な距離なはずなのに、遠いと感じてしまうし 取り繕った敬語がもどかしい。 「すいません、北宮様、当主様が呼んでます」 和成が誉を呼びに来た。 「蜜映様は部屋に戻るようにって」 「わかった」 父が誉に用があるなんておかしいなと思いながら、誉と別れて部屋に戻る。