「僕、怒ってます」
「なんで?」


「写真のこと言って欲しかった」
「そんなこと言えないよ、言えるわけない」


「だからといってあんなやつと付き合わなくても」
「写真撮られたのはしょうがないし、里帆から聞いたと思うけど、脅迫されてたから…」



「気づけなかった僕が悪い」
「そんなことないよ、気付けるわけがない」



「ずっと、ずっと水野先生しか見ていなかったのに、どうしたらまた振り向いてくれるか、そればっか……馬鹿だ」
「違うよ、馬鹿なんかじゃない」



「写真の件を解決したのは柴崎先生と柏木先生だし、僕何もしてやれなかったのが悔しい…」



下向いて唇を噛み締めている。


「中島くんがいるから、頑張れたんだよ」
「えっ」



「奏とはずっと付き合うつもりは無かった、最初は諦めて付き合おうと思ってたけど、徐々に、今は耐えていつか絶対に別れて中島くんのところに行こうと決めてたんだよ」
「ってことは、、、」



「好き」


やっと言えた、言うことができた。


素直に伝えられた。


恥ずかしくて目を逸らしてしまう。



その瞬間抱きしめられて、



「やっと僕のことを好きになってくれたんだ」
「うん、中島くんからは逃げられなかった」



「そりゃ、ずっと追いかけるから逃げられる訳ない」
「捕まっちゃった」



「でも、先生」
「なに?」



「告白はまだしません」



びっくりというより、私と同じ考えで安心した。


「私もそのつもりだったよ、中島くんが卒業するまで待つから」



付き合ったとしても、今回のようなことがあっては、誰かに迷惑をかけてしまうかもしれない。



中島くんと同じ学校にいれないかもしれない。


付き合えないけど、生徒と先生との関係であるべきだと思う。



それでも心が繋がってればいい。


奏と付き合ってる間ずっと考えていた。


「卒業したら、告白します。それまで待っててください、それまで絶対他の男のところに行かないでください」
「もちろん、中島くんもモテるから可愛い女の子に誘惑されないでね」



「瑠璃が1番可愛いよ」
「ふふっ」


「好き」


久しぶりのキスは甘かった。