翌日、カーテン越しでもわかる明るさに、慌てて起きた。
 
「おはよう。今日は俺も昼からだし、寝ててもいいよ。好きなだけいてくれてもいいし」

 ……今朝はより一層素敵に見える彼に、夕べのリフレイン。慌てて俯いて、わあ、裸だ。慌てて慌てて、慌ててパジャマを着た。
 
「パジャマのお揃い一瞬だったね」なんてからかわれて、また頬が熱い。
「ほら、小百合チャン、“おはよう”は?」
「お、おはよう、ござ、います」
 
「うん、はは。着替え乾いてるからどうぞ」
 夕べのうちに乾燥までしてくれていたらしい。とても、恥ずかしいのですけれど。着たばかりのパジャマから、その服へ着替えた。
 
 フルーツとデニッシュのシンプルな朝食を頂くと、野崎さんはもうスーツに着替えていた。

 ネクタイをつける、袖を捲る、時計をつける、昨日はこの作業、全部外すだったなぁって。どちらの仕草も素敵で、思わず凝視してしまい「見すぎ」って、また言われてしまった。

「だって、格好いいんだもん」
 そう言ってしまうと、野崎さんがふっと笑った。
 
「そんな話し方をすると、案外幼いよね」
「老けてますか、私」
「しっかりしてそうに見えるってこと」
 
 そう言って、楽しそうに笑った。ギャップもいいね、なんて言っている。