それに、今夜は一つサプライズがあった。なんと薫さんと柚子ちゃんが宴会のメンバーに加わっていたのだ。
「貴斗と時田さんが釣ってきた魚で盛り上がってたって言ってたし、きっと羨ましくなっちゃったのね。宿に帰って早々あの子ったら薫さんに電話してたのよ」
こっそり教えてくれたのは、素子さんだ。『俺が釣った魚を柚子と食べに来てよ』なんて言って、雄ちゃんが薫さんを誘っているところをたまたま見てしまったらしい。
「薫さん、こんばんは」
「ああ美海ちゃん久しぶり」
一番端っこの席にいた薫さんの元へ、私はおしゃべりをしに行った。貴斗は大好きな柚子ちゃんが来て大喜びで纏わりついているし、男性陣は今日の釣りの話で盛り上がっている。
私も薫さんも車だからソフトドリンクの入ったグラスで乾杯をした。
「よかった、薫さん雄ちゃんと仲直りしたんですね」
「やだ、あの子ったら美海ちゃんにまで話してたの?」
薫さんはびっくりして、大きな目をさらに大きくしている。「ここじゃなんでも筒抜けですよ」と私が言うと、薫さんは「それもそうね」と言って苦笑いをしていた。
「美海ちゃん、あの人が貴斗の?」
「……そう、父親です」
「よく似てるね、貴斗に」
「はい……」
貴斗は何か口に入れたくなったのか、貴裕さんの膝に座って料理の入った皿を指差している。こうして見ていると、二人は仲の良い親子そのものだ。
「貴斗と時田さんが釣ってきた魚で盛り上がってたって言ってたし、きっと羨ましくなっちゃったのね。宿に帰って早々あの子ったら薫さんに電話してたのよ」
こっそり教えてくれたのは、素子さんだ。『俺が釣った魚を柚子と食べに来てよ』なんて言って、雄ちゃんが薫さんを誘っているところをたまたま見てしまったらしい。
「薫さん、こんばんは」
「ああ美海ちゃん久しぶり」
一番端っこの席にいた薫さんの元へ、私はおしゃべりをしに行った。貴斗は大好きな柚子ちゃんが来て大喜びで纏わりついているし、男性陣は今日の釣りの話で盛り上がっている。
私も薫さんも車だからソフトドリンクの入ったグラスで乾杯をした。
「よかった、薫さん雄ちゃんと仲直りしたんですね」
「やだ、あの子ったら美海ちゃんにまで話してたの?」
薫さんはびっくりして、大きな目をさらに大きくしている。「ここじゃなんでも筒抜けですよ」と私が言うと、薫さんは「それもそうね」と言って苦笑いをしていた。
「美海ちゃん、あの人が貴斗の?」
「……そう、父親です」
「よく似てるね、貴斗に」
「はい……」
貴斗は何か口に入れたくなったのか、貴裕さんの膝に座って料理の入った皿を指差している。こうして見ていると、二人は仲の良い親子そのものだ。



