キョトンとしていると、紫音が心底呆れた顔で私を見下ろす。

「本当にお前は……、どれだけ俺のこと振り回したら気が済むんだよ」

「ふ、振り回してないよ……?」

「キレた。じゃあもう、遠慮なく触りまくるから」

「わっ」

 紫音はパーカーをぺろっと捲ると、肌を優しく撫でる。

 体に顔を埋められて、羞恥心で頭がパンクしそうになった。

 わー! 自分で触っていいと言ったけど、やっぱり恥ずかしいよ……!

 私が顔を真っ赤にして恥ずかしさに耐えていると、紫音は真顔で謝ってきた。

「ごめん。言い方悪いけど今めちゃくちゃ支配欲満たされてる」

「え、何……?」

「何も我慢できなかったらごめん。先謝っておく」

「さ、先に謝られても……⁉︎」

 思わずツッコミを入れたけれど、すぐに深いキスで塞がれてしまった。

 手もしっかりと繋がれたまま、紫音の唇が色んな箇所に触れる。

「んっ、紫音っ……待っ」

「待たない。もうそんな余裕ない」

「んんっ……」

 頭が朦朧として、ぼーっとする。

 紫音にされるがままになっていると、チュッとおでこにキスをされた。

「大好きだよ、千帆」

 優しい目でそう囁かれて、胸がキュッと苦しくなった。

 余裕がなくて声に出せなかったけれど、私も心中でそっとつぶやく。

 私も大好きだよ、紫音。

 これから先も、ずっと一緒にいてね。

 そうして、私たちはようやく番に……ひとつになったのだ。