彼女はこちらを

真っ直ぐ見て言った。

「面白くないお話で

良ければお話します。」

俺はこんなに綺麗な目を

見たことがなかった。

君の瞳は星みたいだね。

そんな言葉が出てきそうで

慌ててその言葉を飲み込む。

その代わりにこんな言葉を発した。

「今日の放課後聞いてもいいかな?」

ましろんは

「はい。」

とだけ言って教室に戻って行った。

翔は少し不満そうな顔をしていた。

理由はきっと俺が

入院を拒んだ事を

察しているのだろう。

「あのー、翔さん?」

いくら声をかけても返事がない。

ましろんがいなくなって5分は経った。

まいったな。

こんなに怒るとは。

「悪かったって夏休みに

なったらちゃんと入院するよ」

翔は呆れた顔をしていた。

「・・・それまで大人しくしとくんだぞ」

「もちろん」