一瞬。
わからなかった、何が起こっているのか。
わかったときには……。
……キス……されていて……。
始めは軽く触れるくらい。
それが。
だんだんと舌が上唇と下唇の間を上手く入り込んでくる。
激しく深く……そして甘い。
あまりの甘さに。
身も心も。
とろけてしまいそう。
そんなとき。
松尾の右手が。
私の左耳をやさしく撫でるから。
「……耳、感じやすいんだ」
反応してしまった。
それを松尾に気付かれてしまった。
松尾はやさしく唇を離し。
私の右耳に甘い声のトーンで囁いた。
松尾の甘い声が。
耳から全身に広がり。
震えるくらいの快感が押し寄せる。
「反応、かわいい。
それから声も」
無意識のうちに。
漏れてしまった、いつもとは違う声。
それを松尾は聞き逃さなかった。
松尾に聞かれてしまった。
そのことが、ものすごく恥ずかしい。



