カウンター席。 松尾と並んで座っている。 おしゃれで落ち着いた感じのバー。 こういう店には、ほとんど来たことがない。 だからかな。 緊張する。 隣にいる、松尾が。 不思議。 十五年前までの私は。 松尾と接することが恥ずかしくて。 素直になることができなかった。 だけど今は。 素直とまではいかないけれど。 なんとか松尾と接することができている。 十五年――。 この年月が。 変えてくれたのだろうか。