神獣の国への召喚 ~無自覚聖女は神獣を虜にする~

「す、素敵?あー、いや、おすすめなのはその先の2つ目の町だ。この町より少し大きな町で、あー、ギルドで俺の名前を出してくれ。えーっと、そう、あの、一つギルドには依頼を出してあって、依頼を受けてくれると助かる。これは、仕事の依頼だから、その、べ、別に、俺が、リョウナと一緒にいたいからとか、同情したからとか、そういうんじゃなくて……」
 ディールはとても親切で、しかも私のことを気遣ってくれる。
「ありがとう。依頼って?あ、待って。やっぱり今はきかないわ。受ける受けないはギルドに直接伝えるから、あの、ありがとう」
「そ、それは、俺の依頼は内容がなんであれ受けられないって?」
 ディールがショックを受けた顔をしている。
「ポーション屋で働いていたでしょう?だから、1つ目の町でポーションを作るために滞在するかもしれないし……」
 ポーションを買うよりは作ったほうが安上がりだものね。やっぱりいざというときにいくつかポーションは持ち歩きたい。
 それにもしかして、1つ目の町が素敵すぎて、2つ目の町に行かない可能性だってある。
「あ、ああ、そうか。パズもリョウナの作ったポーションが気に入っているようだし、作ったポーションを売ってもらえると助かる」
 ディールに笑顔が戻った。
 あれ?パズ君って、私が作ったポーションを飲んだことあったっけ?
 ふと、月の精を思い出す。
 パズ君と何やら関係がありそうな彼が、パズ君にも渡したのかな?
「乗合馬車は昼過ぎに出るはずだ。馬車なら、1つ隣の町まで2時間ほど。休憩をはさんでその隣の町まで3時間、日が落ちるまでには着くはずだ」
「本当?」
 それはいいことを聞いた。また森の中の道を何時間も歩いて移動するのをちょっと覚悟していたのだ。
「昼ね!時間があまりないわ。ありがとう」
 ポーションを作った時に入れる瓶をいくつか買って行こう。あとは携帯食と飲み物も必要よね。
 急いで買い物を済ませないとと、ディールとパズに別れを告げて宿を出て行こうとすると、ディールに腕をつかまれた。
「3日後には、俺たちもこの町を後にする。何かあった時とか、3日後、予定とは違う場所に移動していた時には、これを」
 手に、こぶし大の塊を渡された。
「何?これ?」