神獣の国への召喚 ~無自覚聖女は神獣を虜にする~

 それにしても、気になる言葉が出てきたぞ。飲みやすい味にするって……ポーションって、まずいのか?
「トムが昨日買ってきたポーションなんですがね」
「トム?調理見習いの男だな?なんだ、あいつは、出会いを求めて通ってるのか?まぁいい、で?」
「それが、昨日買ったポーションをいつものように仕事の前に口にしたそうなんですが、一口飲んでいつものと違うことに気が付いて、私のところに持ってきたんですよ。それがこれです」
 何?誰かの飲みかけのカクテルポーションを持ってきた?いや、俺は普通の上級ポーションを頼む。
「トムがいうには、店で買ってその場で飲んだ者たちの中に、長年苦しめられていた腰の痛みが治っただの、古傷の膝の痛みが引いただの言い出す者がいたそうで。大げさに女の子を褒めて喜ばそうとする輩だと、そんな効果はないと他の者は買ったポーションを飲んで馬鹿にしてましたそうで。トムも買ったポーションをその場で飲んでみたけれどいつもと変わらなかったと。それで、今朝、もう1本持って帰ってきたものを飲んだら、前日包丁で切った傷がたちどころに治ったと」
 ん?
 普通のポーションは、包丁で切った傷を治すだけの効果はないってことか。
「どうやら、当たりのポーションがいくつか混じっているんじゃないかということをトムが言っていたんですけどね」
 ふぅーん。効果が高いポーションが、時々混じっているのか。
「店の者が間違えて出したのではないのか?それとも、時々当たりが出るということでたくさん買わせようと言う商売か?」
 ガチャか。
 レアもの出るまでつい買ってしまうあれな。
 というよりも、宝くじみたいなもんか?
 はー、いろいろ考えるねぇ。
「いや、それがシャルル様……どうも、おかしいんです。今までカクテルポーション屋が効果の高い品を扱っていたことはないため、在庫として持っていて間違えた可能性はないと思われますし、当たりを入れて売り上げをアップするためというには……」
 ぼそぼそと声を落として、そっからの会話は聞き取れなかった。
 まぁいい。

 ポーションに種類があることだけは分かった。初級、中級、上級な。
 適当に体を洗い、風呂から出て用意されていた服に着替える。