神獣の国への召喚 ~無自覚聖女は神獣を虜にする~

「王様になれるって話もあるよな。そういやぁ、ほれ、なんたら皇国の初代皇帝とか、神獣の加護を得て国を興したとかなんとか」
 ん?
 もしかして、それか?
 俺のチートって、テイム系で、神獣をテイムしちゃうとかってやつか?
「それだよそれ!俺がこっちの世界に来たから、神獣が現れたんだよ!これで、俺が勇者だってわかっただろ?」
「あはは、まだ言うか、面白い男だなぁ」
 まだ信じない気だな。
 ビリリリリーンロロロ。
 突然、大音量でアラームが鳴り響き始めた。
「な、何の音だ?」
 酔っぱらいが慌てて立ち上がる。
「あー、すまん、アラーム……そうだ。深夜アニメを見るためにかけてあったんだ……」
 慌ててスマホを取り出すし、画面に触れてアラームをオフにする。
「まずいな。アラームも切っておかないと知らない間に電源入って、電池を消費してたらまずい」

 ロックをはずし、アラームの設定を触る。
「なんだ、鏡じゃないのか……?」
「光っている、絵が映っているぞ?」
「なんだ、次々と画面が変わる」
 みっちり酔っぱらいが俺に頭を突き合わせるようにして寄ってきて画面をのぞき込んでいる。
「だから、言っただろ、俺は別の世界から来たって、これはスマホ。この世界の文明にゃ作れない科学の結晶。これで、信じたか?」
「あ、ああ、信じられないが……そんな不思議なものは初めて見る」
「ちょっと触らせてくれないか?」
 設定が終わるとすぐに電源を切る。
「他のものが触ると天罰が下るから、おすすめしない」
 急いでポケットにしまうと、天罰という言葉が聞いたのか、男たちが距離を取った。
 顔を突き合わせていた男たちが離れると、開いた空間に若い男の顔が現れた。
「楽しそうだね、僕も話に混ぜてもらってもいいかな?」
 ランプの明かりで薄暗い牢の中なのに、光り輝いているように見えるくらいのイケメンだ。銀の髪がキラキラと光を返している。
「お前、どこから入ってきた」
 牢の中に突然現れた男に、驚いて酔っぱらいが声を上げる。
 若い男がすっと、腕を伸ばして刺し占めた先は、牢の入り口。鉄格子の一部が開くようになっていて出入りができるその場所だ。
 そして、その先。
「あ、お前、向かい側の牢屋にいたやつか?
 背中を向けて丸まっていたから顔までは見えなかった。