「ぶはははは、確かに、確かにそりゃいえる」
酔っぱらいが楽しそうにげらげら笑っている。
「本当なんだって、ほら、これ見ろよ、こんなものこっちの世界にゃないだろ」
ポケットからスマホを取り出して見せる。
「んあー、なんだそりゃ?黒い石か?」
電源の入っていない黒い画面を見た男が顔を近づけて覗き込む。
「たいそうな鏡だなぁ、よく映る」
「違う、これは、スマホといって」
電源は切ってある。充電できないから、電池の節約のためだ。この世界に来た時点で、充電は90%以上あったが、あと何日もつか。
「スマホだ?」
男が手を伸ばしてきたので、慌ててポケットに戻す。下手にいじくられて壊れたら大変だ。
■
「ほかにも、ほら、これも。こんなの見たことないだろう?」
多少乱暴に扱われても壊れないだろう、今度は多機能ナイフを取り出して見せる。
「なんじゃそりゃ」
「いろいろな便利な道具がこれ一つに詰まってるんだよ、これはナイフ、で、これがハサミ、こっちがドライバー」
「は?肉を突き刺して食べるのにでも使うのか?」
……そうか。ネジがないからドライバーも意味がないのか。
「しかし、本当にこんなもん見たことねぇな」
「だから、俺は別の世界から来たの。この世界の人間じゃねぇんだよ」
「はははは、分かった、分かった」
隣に座っていたよっぱらいが、真っ赤な顔をして俺の背中をバンバンたたいた。
いてぇぞ。相撲取りのような体系だと思ったが、力も相撲取り並みかよ。ただのデブなわけないか。冒険者だしな。
「兄ちゃんは、こぎれいな恰好してるし、こーんな高そうなものも持ってるもんなぁ、オイラたちとは住む世界が違うんだろう、よくわかった」
「全然、分かってない、そういう階級的なんじゃなくて……あー、なんだ、ほら、なんか噂してただろ、月の橋?神獣?そういうたぐいのだな」
「おお、そうそう、月の橋がな、架かったらしい。いったいどこに神獣は現れるんだろうな」
「神獣の加護を得た国は栄えるって話だろ?」
「栄えるっていうか、無敵の神獣の加勢があれば戦争に負けないってことじゃなかったか?」
「いやいや、神獣がいるというだけで他の国が頭を下げるんだろ?」
「とにかく、神獣を手に入れたもん勝ちってことじゃね?」
「それって、国じゃなくて個人でも神獣を手に入れれば力を得ることができるってことか?」
酔っぱらいが楽しそうにげらげら笑っている。
「本当なんだって、ほら、これ見ろよ、こんなものこっちの世界にゃないだろ」
ポケットからスマホを取り出して見せる。
「んあー、なんだそりゃ?黒い石か?」
電源の入っていない黒い画面を見た男が顔を近づけて覗き込む。
「たいそうな鏡だなぁ、よく映る」
「違う、これは、スマホといって」
電源は切ってある。充電できないから、電池の節約のためだ。この世界に来た時点で、充電は90%以上あったが、あと何日もつか。
「スマホだ?」
男が手を伸ばしてきたので、慌ててポケットに戻す。下手にいじくられて壊れたら大変だ。
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「ほかにも、ほら、これも。こんなの見たことないだろう?」
多少乱暴に扱われても壊れないだろう、今度は多機能ナイフを取り出して見せる。
「なんじゃそりゃ」
「いろいろな便利な道具がこれ一つに詰まってるんだよ、これはナイフ、で、これがハサミ、こっちがドライバー」
「は?肉を突き刺して食べるのにでも使うのか?」
……そうか。ネジがないからドライバーも意味がないのか。
「しかし、本当にこんなもん見たことねぇな」
「だから、俺は別の世界から来たの。この世界の人間じゃねぇんだよ」
「はははは、分かった、分かった」
隣に座っていたよっぱらいが、真っ赤な顔をして俺の背中をバンバンたたいた。
いてぇぞ。相撲取りのような体系だと思ったが、力も相撲取り並みかよ。ただのデブなわけないか。冒険者だしな。
「兄ちゃんは、こぎれいな恰好してるし、こーんな高そうなものも持ってるもんなぁ、オイラたちとは住む世界が違うんだろう、よくわかった」
「全然、分かってない、そういう階級的なんじゃなくて……あー、なんだ、ほら、なんか噂してただろ、月の橋?神獣?そういうたぐいのだな」
「おお、そうそう、月の橋がな、架かったらしい。いったいどこに神獣は現れるんだろうな」
「神獣の加護を得た国は栄えるって話だろ?」
「栄えるっていうか、無敵の神獣の加勢があれば戦争に負けないってことじゃなかったか?」
「いやいや、神獣がいるというだけで他の国が頭を下げるんだろ?」
「とにかく、神獣を手に入れたもん勝ちってことじゃね?」
「それって、国じゃなくて個人でも神獣を手に入れれば力を得ることができるってことか?」


