神獣の国への召喚 ~無自覚聖女は神獣を虜にする~

 私たちが作る純度100%の1本のポーションから4~5本のポーションを作るんだよね?20本必要ってことか。あれ?ミミリア一人で20本も使って、他の子は?20人くらいいたよね?売り子。もともと私はいなかったけれど、ハナが近いうちに抜けてマチルダも3か月程度で抜けてしまったら、原料となる純度100%ポーション足りないよね?って、他にいくらでも入手方法あるのかな?よくわからないけど。
「ミミリア、店長に話があるんだけれど、呼んできてもらえる?」
 朝食のパンは受け取らずにミミリアに声をかける。
 今日の分を受け取ってしまえば今日のノルマが課せられるかもしれない。まぁ、今ここにいる時点ですでにノルマが課せられてる可能性はあるけど。
「は?店長を?」
 ミミリアが迷惑そうな顔をしたので、にこりと笑って、とんとんと、乾いた血が赤黒くこべりついてる腹部を指で叩いた。
「な、何それっ」
「店長を呼んでくれなきゃ、ミミリアに刺されたって言ったら信じる人いるかもね」
「はぁ?何を言って、って、刺された?」
「ミミリアが自分が刺したことを店長に言われたくないから店長を呼ぶのを拒否したって、誰か考えちゃうかも」
 ちらりとハナやマチルダに視線を向けると、ミミリアは後ろに2,3ほ後ずさってから慌てて踵を返した。
「分かったわよ、すぐに呼んで来ればいいんでしょっ!」
 よし。第一関門突破。出て行くと決めたからには、すぐに出て行く。
「なんだ、朝っぱらから」
 しばらくして機嫌の悪そうな店長が来た。
「店長、現在の借金額を教えてもらえますか?」
「あ?そんなことで呼びつけたのか?」
「そんなことではありません。借金を返して出て行きます。今日の分が加算されないように朝に話がしたかったんです」
「何?出て行く?はっ、馬鹿な、まったくノルマもこなせていないお前が、どうやって」
 ポケットから金貨を取り出し店長に見せる。
「いくらですか?現金で支払います。これで足りますよね?おつりください」
「き、金貨っ、一体それをどうやって……」

「おつりください」
 店長が私の手から金貨を奪うように手に取りポケットにねじ込んだ。
「釣り?そんなもんは」
「金貨を、私に渡した人がいます」
「はぁ?」