「違う場所で育ったから、違う考えができる。買い取り価格の交渉をするのも、私が育った土地では需要と供給や市場価格など、いろいろなことが普通で、学びながら育つだけ。逆に、私はマチルダのように干し肉やパンをどこで売っているのかは知らない……これから覚えていかなくちゃいけない」
マチルダが噛んでいた爪を口元から離した。
「じゃ、じゃぁ教えてやるよ、ポーションの買い取り価格の交渉をしてくれた礼だ」
「ありがとうマチルダ。でも、私はここを出て行くの。やりたいことがあるから」
マチルダがさみしそうな顔をする。
態度も口も悪いけど人情が深い人なんだ。初めから気遣ってくれていた。
「はっ、そうだろうよ。リョウナは私らとは違って、いろいろできるだろうよっ」
マチルダの手が、再び口元に伸びようとするのをつかんだ。
「いろいろできるよ。マチルダだって」
「何言ってんだ、いくら借金を返し終わったって、ここを出たって私にできることなんて……」
「私がここを出てやりたいことはね、冒険者のことを勉強しようと思うの。私は冒険者なんて無理だと少しも目を向けるつもりはなかったんだけど。そうじゃないってわかった。ハナが教えてくれた」
ハナを見る。
「冒険者の泊まる宿でポーションが売っているって。ポーション屋以外でもポーションの需要はあるってことでしょう?しかも、今は飛ぶように売れるって。だから、冒険者が立ち寄るような店でポーションも買うことができたら便利じゃないのかなって。それを調べるの」
マチルダが首を傾げた。
「調べてどうするんだい?」
「交渉する。ポーションを作っておきませんかって」
「なんだよ、それ、ポーションを売りに行くってことか?」
首を横に振る。
◆
「ううん、ポーション職人を雇いませんかって、交渉する。1日20本程度しか作れない純度100%のポーションを、50本以上作れる優秀な人材を雇いませんかって。50本で銅貨500枚の元手、それを4~5本にして売れば儲かりますよって」
ハナが顔を輝かせた。
「ねぇ、その1日50本作れる人って」
「うん、そうよ。ハナもマチルダも、あの方法なら50本以上作れるでしょう?」
マチルダがぼんやりと空を見つめている。
「まさか……交渉って……私のために?」
握っていたマチルダの手を放して、バンバンと背中をちょっと乱暴に叩く。
マチルダが噛んでいた爪を口元から離した。
「じゃ、じゃぁ教えてやるよ、ポーションの買い取り価格の交渉をしてくれた礼だ」
「ありがとうマチルダ。でも、私はここを出て行くの。やりたいことがあるから」
マチルダがさみしそうな顔をする。
態度も口も悪いけど人情が深い人なんだ。初めから気遣ってくれていた。
「はっ、そうだろうよ。リョウナは私らとは違って、いろいろできるだろうよっ」
マチルダの手が、再び口元に伸びようとするのをつかんだ。
「いろいろできるよ。マチルダだって」
「何言ってんだ、いくら借金を返し終わったって、ここを出たって私にできることなんて……」
「私がここを出てやりたいことはね、冒険者のことを勉強しようと思うの。私は冒険者なんて無理だと少しも目を向けるつもりはなかったんだけど。そうじゃないってわかった。ハナが教えてくれた」
ハナを見る。
「冒険者の泊まる宿でポーションが売っているって。ポーション屋以外でもポーションの需要はあるってことでしょう?しかも、今は飛ぶように売れるって。だから、冒険者が立ち寄るような店でポーションも買うことができたら便利じゃないのかなって。それを調べるの」
マチルダが首を傾げた。
「調べてどうするんだい?」
「交渉する。ポーションを作っておきませんかって」
「なんだよ、それ、ポーションを売りに行くってことか?」
首を横に振る。
◆
「ううん、ポーション職人を雇いませんかって、交渉する。1日20本程度しか作れない純度100%のポーションを、50本以上作れる優秀な人材を雇いませんかって。50本で銅貨500枚の元手、それを4~5本にして売れば儲かりますよって」
ハナが顔を輝かせた。
「ねぇ、その1日50本作れる人って」
「うん、そうよ。ハナもマチルダも、あの方法なら50本以上作れるでしょう?」
マチルダがぼんやりと空を見つめている。
「まさか……交渉って……私のために?」
握っていたマチルダの手を放して、バンバンと背中をちょっと乱暴に叩く。


