神獣の国への召喚 ~無自覚聖女は神獣を虜にする~

 器の中に、自分用にと取っておいたポーションを1本入れる。これなら水で薄まるわけじゃないから大丈夫だよね。
 さ、もう一度。
 ぐるぐるぐるっ。
 ぎゅっぎゅっぎゅと弓を動かし棒を回す。さっきよりも抵抗感が強い。
 1分ほど回したところで、もう一度ミキサーもどきの中を覗き込む。
「あ、かなりできてる」
 全く駄目だった前回とは違い、葉っぱの形が無くなっていた。
 もう少し続ければ青汁になりそうだ。
 全部で3分ほどだろうか。
 瓶に4本分のポーションが出来上がる。水分として1本分使っているから、3分で3本できたことになる。
「よし。これならば」
 葉っぱを入れてぐーるぐる。
 瓶に移し替えて、また葉っぱを入れて、ぐーるぐる。
 さすがに腕が疲れてもげそうになって休憩。

「あー、1分1本ペースで作れたら、2時間もすれば100本は軽いと思ってたんだけどなぁ……。腕が……」
 待てよ?
 ディールさんの言葉を思い出す。ポーションは疲れが取れると言っていなかったか?
 作り立てのポーション、瓶の口から少し零れ落ちたものを指で救ってぺろりと舐める。
「あ、疲れが飛んだ」
 すごい。ほんのちょこっと舐めた程度で、この効果……。魔法みたい。いや、魔法の薬?ポーションって何なんだろうか。
 作業再開。少し欲張って入れる葉も増やしてみようかな。疲れが取れるのであれば抵抗が強くなって疲れても平気だよね?
 順調。あっというまに100本できた。できたものは、寝床に隠しておくことにする。板の下の地面を掘って穴をあけてあるのでそこに入れて板をかぶせ布をかぶって……お腹がなった。
 やはり、1日でパン1個は辛い。ノルマを達成できなくても夕飯を食べることはできるらしいけど、借金がその分増える。他の人たちはどうしてるんだろう。
 この時間、出かけているけれど、仕事をしながら食べているのかな。仕事って、やっぱりあれだよね。男性の相手をする系……。売春。
 まさか、このポーション屋が表では地下アイドルやメイド喫茶のような女の子たちが好みそうな華やかさがあるのに、裏では遊郭のように借金で逃げられないようにして体を売らせる場所だったとは……。
 まてよ?もし、遊郭のような……とすれば、表の華やかに見える子たちも……。いやいや、それならさすがにディールさんも知ってそうだし。