神獣の国への召喚 ~無自覚聖女は神獣を虜にする~

 親子?兄弟?事情があって一緒にいられないからディールさんにパズ君を預けてるんだよね?でも心配だから様子を見に行ったりしてるってことかな?
「もちろん、パズ君かわいいから、忘れるわけないですよ」
 抱き着かれてびっくりはしたものの、西洋風な顔立ちの人たちであれば、コミュニケーションも西洋風かも。ハグやほっぺチューにいちいち驚いちゃだめだよね。うん。
「パズかわいい?パズのことリョウナ好き?」
 月の精が、体を話て嬉しそうに私の顔を覗き込む。
 いや、近い、近い。綺麗な顔が近いよ。キラキラまぶしい。驚きはしなくてもどぎまぎはします。
 それにしても、うん。パズ君の話題になるとずいぶん興奮気味。親ばか?兄ばか?ふふ。パズ君確かに可愛いもんねぇ。
 しゃべれないけれど、あのお顔で「リョウナしゅき」とか言われたらメロメロでしょう。メロメロでしょう(大事なことなので2回)。
「リョウナっ、怪我してるっ、どうしよう、ああ、リョウナが怪我っ」
 つつーっと、額から何か垂れてくる感覚がある。
 そういえば額も殴られたし、血が出てきたかな。大した怪我ではないと思うけれど。
 月の精は血を見たことがよほどショックだったのかパニックのようになってる。
「大事なリョウナを傷つけたの誰っ。許さない」
「あはは、ありがとうございます。そこまで怒ってくれて。でも、大丈夫です」
 大丈夫と言っているのに、月の精はまだ気持ちが落ち着かないようだ。
「リョウナ、だって、血。痛いよね?怪我、痛いよね?」
 うーん。
「あ、そうだ、ちょうどいいや。気になってたんだ」
「え?」
 月の精の両手を取って顔を見る。
 ちょっと落ち着いたかな。

「ここね、ポーション屋で、私はポーションを作ってるのよ。でも、作ったポーションを飲んだことがなかったから。今から作って飲んでみる」
 どれくらい効果があるか試してみたかったんだ。
 葉っぱを少し取って急いで瓶1本の半分くらいのポーションを作る。
 一さじすくってなめてみる。
「ん?ポーションってすごい……」
 スプーン一さじだけど、すぅーっとあちこちの痛みが引いた。
 血が出ていたおでこに手を当てれば、すっかりつるつるだ。
 誰でも作れるポーションでもこんなに効果があるんだ。そりゃ、最高級って言われるやつは大怪我治るよねぇ。