「はい。あっと、仕事と住む場所を探しにその……ずっと遠くから来たんですけど、えーっと、このあたりの知識も全然なくて」
嘘は何一つついていない。
ずっと遠くから来たことも本当。仕事と住む場所を探しているのも。知識がないのも。
ただ、異世界からだとはさすがに言えなかった。このあたりどころかこのあたり以外の知識も、この世界に関しては全然持っていない。
「あー、なんかいくつかの村が消滅したって話も聞いたしな……それで仕事を探しに……」
ディールさんが、何やら勝手な解釈をして同情的な目を向けてきた。
しかし立って並ぶと、ディールさんの体格の良さが際立つなぁ。
浩史も身長は180センチと、日本人にしては高い方だったけれど、それよりも10センチは高いんじゃないかな。
しかも、もりもり筋肉もついてるから、巨大だ。155センチと、日本人としては平均より少しだけ低い、決して特別ちびというわけではない私が隣に並ぶと、大人と子供くらいの差がある。
◆
どんな事情があるのか分からないけれど、小さな子の面倒を見て、いくら子供の恩人とはいえ、高い薬……ポーション?をただで使って怪我を治してくれて、その上突然説教を始めたのに聞いてくれて、さらにこうして街まで一緒させてもらってる。
親切な人だな。ディールさん。
って、ちょっと待って、私、なんか、かなり失礼を繰り返してない?
「今更ながら、その、怪我を治してくれてありがとうございます。それから、えっと、いくら興奮していたからといって、なんか突然説教めいたことを生意気に言ってごめんなさい」
ディールさんが嬉しそうに笑った。
「ああ、この俺を叱り飛ばすなんて、お袋くらいなもんだぞ。あれはびっくりした」
う。
「あの、私も別に普段から誰かれ構わず言っているわけでは……」
「ああ、分かってるさ。パズのことを思ってだろ」
ディールさんが表情を引き締めて、私の顔をじっと見る。
うわ。見慣れないレベルのイケメンに見つめられると、それだけで心臓が跳ね上がりそう。
「叱られるのって、いいな」
は?
「俺の至らなさをはっきりズバッと指摘してくれる……俺の成長を信じて俺を叱ってくれる……」
まぁ、うん、成長を信じてというか、幼い子供の命にかかわることだから、成長してもらわないと困るっていう話なんだけれど。
嘘は何一つついていない。
ずっと遠くから来たことも本当。仕事と住む場所を探しているのも。知識がないのも。
ただ、異世界からだとはさすがに言えなかった。このあたりどころかこのあたり以外の知識も、この世界に関しては全然持っていない。
「あー、なんかいくつかの村が消滅したって話も聞いたしな……それで仕事を探しに……」
ディールさんが、何やら勝手な解釈をして同情的な目を向けてきた。
しかし立って並ぶと、ディールさんの体格の良さが際立つなぁ。
浩史も身長は180センチと、日本人にしては高い方だったけれど、それよりも10センチは高いんじゃないかな。
しかも、もりもり筋肉もついてるから、巨大だ。155センチと、日本人としては平均より少しだけ低い、決して特別ちびというわけではない私が隣に並ぶと、大人と子供くらいの差がある。
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どんな事情があるのか分からないけれど、小さな子の面倒を見て、いくら子供の恩人とはいえ、高い薬……ポーション?をただで使って怪我を治してくれて、その上突然説教を始めたのに聞いてくれて、さらにこうして街まで一緒させてもらってる。
親切な人だな。ディールさん。
って、ちょっと待って、私、なんか、かなり失礼を繰り返してない?
「今更ながら、その、怪我を治してくれてありがとうございます。それから、えっと、いくら興奮していたからといって、なんか突然説教めいたことを生意気に言ってごめんなさい」
ディールさんが嬉しそうに笑った。
「ああ、この俺を叱り飛ばすなんて、お袋くらいなもんだぞ。あれはびっくりした」
う。
「あの、私も別に普段から誰かれ構わず言っているわけでは……」
「ああ、分かってるさ。パズのことを思ってだろ」
ディールさんが表情を引き締めて、私の顔をじっと見る。
うわ。見慣れないレベルのイケメンに見つめられると、それだけで心臓が跳ね上がりそう。
「叱られるのって、いいな」
は?
「俺の至らなさをはっきりズバッと指摘してくれる……俺の成長を信じて俺を叱ってくれる……」
まぁ、うん、成長を信じてというか、幼い子供の命にかかわることだから、成長してもらわないと困るっていう話なんだけれど。


