神獣の国への召喚 ~無自覚聖女は神獣を虜にする~

「はい、部屋に焚き染めた薬で思考力は低下しており、こちらの質問に対しても何の疑問も持たずにぺらぺらと答えております」
 侍女の言葉に、コウが、報告書の束を机の上に置いた。
「そうか。ということは、この報告書に書かれていることは、真実なのだな?」
「はい。嘘をついて騙そうという思考能力が保たれている様子はございません」
 ふむと、シャルルは報告書の上に手を乗せて、指をトントンと何度か鳴らした。考え事をするときのシャルルの癖だ。
 あなたは何者ですか。
 この世界に召喚された勇者だ。
 何のためにここに来たのですか。
 世界を救うために召喚されたんだ。
 報告書には、浩史と侍女とのやり取りが書かれている。
「偽りではなく、心の底からそう信じているということか……」
 自分が勇者だと。
 おかしな男だ。
 下っ端の冒険者よりも力が弱く何の能力もないというのに。
「これについては?」
 シャルルが、机の上に置いてあった浩史のスマホを侍女に手渡す。
 浩史が寝ている間に侍女に持ってこさせ、いろいろと触ってみたシャルルだが、ギルドの地下で見たような光さえも放つことはなかった。
「はい、電池が切れてしまえばもうただのごみだと。電池というのは、動かすための力みたいですが、その力が尽きた……人でいえば食べ物が食べられなくて死んだようなもんだと言っておりました」
「なるほど」
 だから、光ることすらできなかったのか。
「ですが、何やら気になることを言っておりました。よくわからない言葉も含まれておりましたので、これを」
 侍女が本日の浩史の言葉をまとめた報告書をシャルルに手渡す。
「この、チートというのはどういう意味なんだろうな」
 俺のチートは一体いつ判明するんだ。
 もしかしたら、俺のチートって、知識チートなのか?
 知識チートって言っても、カヤクの作り方も詳細までは分からない。
「どうやら、チートというのは、特別な能力というような意味なのではないかと」
「特別な能力……か」
 そういえば、昔デンシショセキでカヤクや武器など知識チートできそうなジャンルの本を買ったな
 70パーセントオフでテンションが上がって買いまくったやつだ
 ダウンロードしていつでも読めるようにスマホに入れておいたが、結局読んでなかった
 あれがあれば、知識チート無双できるよな