魔女のリュシカは家々の灯りをみる。

オアシス都市、多宇だ。

「もしもし、あなたは魔女?」
「そうですが」

三角帽子に黒い礼服。
ま、そりゃ魔女だよね。

リュシカは多宇の乾いた都市を見た。
星が瞬いている。

「綺麗な夜空ですね」
「そうですね。
多宇の民は夜空からやってきた神々に祈るのですよ」

神殿官と名乗る女性がリュシカに静かにこたえる。