死が、私達を別つ。


それは、私と彼の、本当の別れ。


彼と、別れたい。



「――俺も、すぐに後を追うから。
お前が、好きだよ…」



そう言って、その男は私の首を包丁で切り裂いた。



私の首から、噴き出すように血が出て、
私と彼を真っ赤に染める。



私と彼を染めるその赤が、
何重にもぐるぐると絡まる、運命の赤い糸に見えた。







[終わり]