それはきっと、世間でいうマゾといわれるものだと思う。



私は世間体に、Mとされる人間なのだろう。


別に、夜な夜なそんなプレイを楽しんでいるとかはないけど、
昔から、男に傷付けられる事が大好きでたまらない。


それは、心も体も。



その私を傷付ける相手が、大好きな相手であればある程、
興奮する。


勿論、そんな事をその相手に悟られないようにするのは当たり前で。


傷つけられ許しを乞い泣くのは、
私のお遊芸。





私が悦んでいるのを知られたら、
そんな男達は醒めるのが分かっているから。



この目の前の男も、そう。


泣いて、泣いて、許してと、また泣く。



歴代の彼氏達は、それなりにそんな私を傷付けてくれたけど、

後、もう一歩って感じだった。


ぬるい、ってやつで。



目の前に立つ彼は、そんな私がやっと見付けた逸材。


きっと、この彼ならば、私の望みを叶えてくれる。


初めて見た時から、ピンと来た。





必ず、私を殺してくれると。