私は颯斗くんと同じクラスになれた喜びを噛み締めながら、二階にある2年3組の教室に向かった。

どうやらまだ半分くらいの人数しか来てなかったらしく、颯斗くんの姿も見られなかった。

あっ、でも志穂は来てる……!

「志穂、おはよう!」

読書をしていた志穂は私の方を見て、嬉しそうに声を上げた。

「おはよう春音!よかったね、同じクラスになれて」
「うん。でも、和奏も同じクラスになって欲しかったなぁ」
「南中、人数多いからね。むしろ3人とも同じクラスだった去年が奇跡だよ」

志穂の言うように、南中は各学年、人数がとても多く、5〜6クラスはある。
去年は志穂とも和奏とも同じクラスだったから、それは奇跡に等しかったのだ。