「さあ、チーにはわからない?」


「うーん、わかんない。でもいっぱいギューしてから帰ろうね」


ニコニコしてそう言うと、彼は呆れたように返してきた。


「いや、それが駄目なんだと思うけど……」


「どうして?」


「いや、もういいや。約束なんて……。
どうせ守れっこないから」


そう言って、彼はいきなり私の手にキスを落としてきた。


「あ」


「こっちきて」


「うん」 


喜んで彼の胸に飛び込んだ。


「ん……」


そして、蕩けるような甘いキスを交わす。


「すき」


「俺も好き」


今日の彼も凄くカッコイイと思った。


たぶん明日も明後日も、彼を見るたびにそう思うだろう。


兄としても、彼氏としても、どちらの彼も大好きだって心から言える。


これからも毎日私の好きを重ねていくんだ。


「愛してるよ、チー」


お兄ちゃんの一途な恋に溺れながら。



(end)