ずいぶんな言われ方だけど、自信を持って言い返すことができない。


もしかしたら、心のどこかで不安に思っていたことだから?


自信が無いのは確かだし。


「いや、だからってそんな顔しないでよ。俺は瀬戸さんの味方だよ。ちゃんと応援してるんだ」


私が嫌な顔をしたので彼は慌てだす。


今度は取り繕うようになだめてきた。


「そんなに怒んないで」


「応援ってほんとに?」


疑わしそうに見つめかえすと、困ったように肩をすくめる彼。


「うん、ほんとほんと。だって瀬戸さんにはいつも笑ってて欲しいから」


「ふーん、口がうまいよね。西原くんは」


「いや、違うんだって。ただなんとなく歯痒くてさ……。
ほらそんなことより早く問題解きなよ」


西原くんは言いすぎたと思ったのかバツが悪そう。はやく話題を変えたいみたい。


「うん」


彼の気になる発言にモヤモヤさせられたけど、仕方なくプリントに目を落とした。


早く昼食を食べに行かないといけないのに、彼を待たせてしまってる。


さすがに申し訳ないので、早く課題を終わらせてしまおう。


集中、集中……。


とにかく今は悩むのはやめて勉強しよう。