『確かにそうですわね。凛音様の言う通りですわ』


横から亜矢奈さんが割り込んだ。


相変わらず凛音の隣から離れない。


『先生はミステリー好きだって小川君が言ってたから…脅迫状を出して「推理仕立て」にしてみたかった…とか…』


自分で言ってて、これは違うってわかったけど、勝手に言葉がこぼれ落ちる。


『佐々木先生は、そういうタイプではないです…あまり凝ったことは嫌いなように思います』


と、初音ちゃん。


やっぱりそうだよね。


普通の大人はそんな面倒なことしないもんね…


『でもじゃあ、いったいなぜ佐々木先生が狙われたんですの?』


亜矢奈さんに続いて、凛音が、


『初音。演劇部のみんなは佐々木先生のことを良く言ってたけど、本当に「悪い噂」はないの?』


と、聞いた。


『学校では…先生の悪い噂は聞きません。まあ、少なくとも私は聞いたことがありません。正直、佐々木先生のことは興味がないですから…』