「誰なの〜?」


「佐伯 悠斗…極悪非道と言われる全国No.2の佐伯組の若頭ですね」


どっかで聞いたことあると思ったが佐伯組の若頭か…


佐伯組は卑怯な手を使ってNo.2までのし上がった奴らだ。


だが若頭だけは格段に強いと噂を聞いたことがある。


…恋莉はそんな奴に殴られてたのか?


痛いなんてもんじゃないだろうな…


「…相手が誰だろうと俺は恋莉を助けたい。お前らはどうだ?」


「もちろん賛成ですよ」


「僕も!」


「俺も〜」


「…俺も!」


聞かなくても答えは分かってたが…やっぱりコイツらは頼りになるな。


だが卑怯な手を使ってNo.2になったとは言えど、相手は組。


負ける気はサラサラないが何をしてくるか分からねぇな…


組が絡んでくるとなると簡単に手を出すわけにはいかない。


明日は親父たちが倉庫に来る日だからその時に話すか…


親父たちとは初代の方々のことだ。


その強さは今でも伝説と呼ばれてるほどで俺たちの憧れの存在だが幹部の1人は確か事故で亡くなってしまったらしい。


俺の親父は神竜の初代総長で今は如月組の組長をしている。


それで、息子の俺が如月組の若頭。


如月組は正統派の全国No.1で治安を守ってるから市民には感謝されることが多い。


だからそんな俺が卑怯な奴らに負けるわけにはいかねぇ。


それに…俺は恋莉の本当の笑顔が見たい。


作り笑いじゃない、本当の心の底から笑った顔が見たい。


そのためなら俺は何だってしてやるよ。


そう心に誓って恋莉が目覚めるのを待った。