あれから3週間。


私はずっと神竜のメンバーから逃げていた。


何度断っても私を姫にすると言って追いかけてくる如月さん。


私に関わったらあなたたちの命が危ないのに、手を伸ばしてしまいそうになる。


今日は見つからないようにいつもと違う空き教室でお昼寝しよう…


埃をかぶった机を綺麗にして、うつ伏せになる。


ひんやりした机が気持ちよくて気がつけば眠っていた。


──────


なんだか心地いい…


頭を撫でられる感じがして、ぼんやりと意識が浮上した。


隣を見ると優しい顔をしている如月さん…?


いつも無表情の時が多いのにこんな顔するんだ…


なんか胸がきゅうってなる。


なんでだろう?


「悪い起こしたか?」


「大丈夫です」


「そうか…」


そう言ってまた撫で始める如月さん。


頭撫でられるの好きだなぁ…


「どうして…私を諦めてくれないんですか?」


ずっと疑問に思っていたことを聞く。


だって全国No.1なら人気者でしょう?


クラスの女の子はいつだって神竜の人たちの話をしているし、姫になりたいって言ってる。


「本当になんでだろうな…」


「え?」


「こんなに本気で好きになったのも、欲しいって思うのも初めてなんだよ」


プイッと横を向きながら言う如月さんの顔は耳まで真っ赤でなんだか可愛い。


思わずクスッと笑うとこっちを睨んでくる如月さん。


そういえば最初も睨まれたなぁ…


今はあんなに怖くないや。


「ごめんなさい…如月さんがなんだか可愛くて」