もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜





 けど、もう今の私は先輩と離れることなんて考えられない。先輩のことが、大切で仕方がない。


 それに、この先誰かに、はじめてをあげるのなら、私は────。
 

 
「花宮先輩」



 私は、先輩のシャツの裾を掴む。


 バクバクと心臓が鳴り、身体が小さく震える。これから伝えようとしている事を考えると、顔に熱が集まるし、今自分がどんな顔をしているのか妙に気になってくる。


 けど、伝えなきゃ。だって私は。



「不要じゃないです」
「……ほんとに?」
「私、先輩と、一緒にいたいです」
「…………」
「これからも、私のはじめてをあげるのは先輩がいいです」



 い、言った……。言ってしまった。


 ボボッと顔を赤くする私を他所に、先輩は私の顔を見つめフリーズしている。