「私を嫌いだって、おかしいって言う人がいても、それでももういいです。傷付けられても、否定されても」
「……うん」
「それでも、自分のことが好きと言える自分でいたい」
なんて呼吸がしやすいんだろう。苦しくない、辛くない。
私のすっきりとした表情を見て、先輩はブラウンのキレイな目を大きく見開き、嬉しそうに目を細めた。
「────やっとだね」
「……え?」
「ううん、なんでもない。それより」
「はい」
「傷付けられたり、否定する人ばかりじゃないよ。みんながみんな、そうじゃない」
「……そう、なんですよね」
「何より、俺がいるから大丈夫」
先輩は、私を抱きしめる腕を解いた。



