もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜





「私、本当は……間違えてることは間違えてるって、合わないことは合わないって、口に出してしまうような人間なんです」
「うん」
「だけど、間違いを指摘して誰か一人を救ったところで……自分が一人になる」
「…………」



「私、中学の最後で、こんな人間だから無視されるようになって────。」



 自分が無視されていたという事を話すということは、思った以上に苦しくて悲しいことだ。


 自分の大切な人に、自分は無視されていました。人間としてダメだから、周りと適合できないからと、そう伝えることはとても怖い。本当は、知られたくなんてないのに。


 けど、もう話をやめるという選択肢は、私にはなかった。



「高校生の男子を、友達が勝手にスマホで撮ろうとしてて……それを注意したら、次の日から私と話してくれる人はいなくて」
「…………は」
「その時は、助けた相手にお礼なんか言われて、いい事したって思ってたけど、蓋を開けたらこっちがおかしいってことになってて」



 あの時の、刺さるような視線と、悪意を含んだ言葉を忘れることはできない。