もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜




 先輩と一緒にいると心が楽で、嬉しくなったり恥ずかしくなったり忙しない、笑顔を向けられると胸がギュッとしたり、気持ちを理解してもらえると、なんだか泣きそうな気持ちになる。


 

「(好きって、即答できたらいいのに)」



 こんなごちゃついた気持ちを、恋愛的な好きと言っていいのかが分からない。恋愛経験が無さすぎて、先輩に聞きたいくらいだ。『私って先輩のことが好きなんですか?』って。マヌケ過ぎるからそんな質問できるわけないけど。


 まだ、時間が必要なのかな……?


 私が先輩に見守られながらパフェを食べていると、突然店内の空気を切り裂くように。椅子を蹴る音が聞こえた。



「俺が頼んだのはホットコーヒーなんだよ!!耳が遠いのか!!」



 振り返るとそこには、ふんぞり返ったスーツ姿の中年男が、若い女店員を怒鳴りつける姿があった。