もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜





 香坂先輩は、キュッと床を鳴らし方向転換をして、こちらに大股で迫ってくる。


 そして、尻餅をついた高野さんを追い越し、私の目の前にあっという間に辿り着くと、恐ろしい眼光で私を見下ろす。


 私の命日は今日かもしれない。そう思ってしまうほど、香坂先輩の纏った雰囲気は恐ろしいほど冷たい。


 私が死を覚悟していると、香坂先輩はゆっくりと口を開いた。



「お前らのいう通りにしたら、何かいいことがあるのか?」
「えっ……」



 ネクタイを引っ張られ、グッと引き寄せられる。


 や、やばい!!これは本当にやばいやつかもしれない!半泣きになったその時。