もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜




「奈湖、今日のお昼一緒に食べよう」
「あっ、はい。わかりました。どこで食べます?」
「屋上にしよう。授業終わったら集合ね」
「了解です」



 正直、友人の恋話を延々と聴きながら食べるご飯は美味しく感じなかった。


 だから、先輩からの誘いは純粋に嬉しい。私がへらっと笑うと、先輩も幸せそうに微笑む。



「はじめての二人でのお昼だね。楽しみにしてるよ」



 ゆっくりと手首を放され、先輩は手を振り二年生の教室に戻っていった。


 私はこれから、こうやって先輩とはじめてを重ねていくんだ。



「(先輩となら、不思議と全く嫌じゃない)」



 そのあと、教室に戻ると友人二人、その他のクラスメイトから質問攻めにされた。



「よくあの花宮先輩と付き合えたね!」
「告白してくる女子をバサバサ切り落とすで有名な花宮王子と!」
「えっ……?そうなの?」



 確かに先輩はモテそうだけど、バサバサ切り落とすのはイメージになかったことで驚いた。


 昼休みに聞いてみようかな……。

 


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