「それって本人に許可取ってる?」



 私の口から出た言葉に、友人二人が固まる。そして、王子がハッと顔を上げた。


 そのまま私は、声のボリュームを下げながらも、二人に言葉が届くくらいの声量で話を続ける。



「勝手に撮って、勝手に上げる。それって本人が良いって言わない限り、盗撮と同じじゃない?」
「……と、盗撮って大袈裟じゃない?だって他の人もやってるし」
「そうだよ。それに今はネットからバズって有名人になる人もいるし、そのきっかけになるんじゃないの?」


「けど、やめておこう?こうやって知らない人に突然写真撮られて、良い気持ちするわけないじゃん」



 私は二人の手首を放し、スパッと言い切る。二人は気まずそうに下を向いた。


 けど、この二人なら分かってくれるはずだ。だって、どう考えてもこの行為はおかしい。