学校の校門に着いたあたりでハッとした。
そういえば、昨日あのまま花宮先輩と帰ってしまったけど小池くんはどうなったんだろう。あの陽キャのことだから、きっと友人に私に対するクレームを入れてるだろう。
下駄箱で上履きを履き、朝の爽やかな雰囲気の廊下を、下を向きながら進む。
もしかして、また中学の二の舞……?今までの私の苦労は、水の泡……?
教室にたどり着き、恐る恐る教室のドアを開ける。すると、ちらほら揃うクラスメイト達の中に、友人二人を見つけた。二人はなにやら深刻そうに何か会話をしている。
とりあえず、声を掛けないことにはなにも始まらない。私は意を決して二人に駆け寄る。
「おはようっ」
「……奈湖」
「…………」
────あぁ、これは多分ダメなやつだ。
二人の表情が明らかに曇っている。きっと小池くんに何か言われたんだ。なんで説明したら……。
というか、元から私が二人に話を合わせていたのも原因の一つでもあるし。
私が冷や汗を流しながら視線を床に落としていると、友人が声を発した。