もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜

 



 確かに友人からは、小池くんが私を気になっているとは聞いていたけど、私の中の付き合うまでの期間って、結構長いものだと思ってたし、第一私達はまだ友人とも呼べない関係だと思う。


 早いとこ仲良くなって、付き合うって……なんか違う。



「それに俺、付き合ったらゲーセンとかボーリングとかカラオケとか沢山行きてーし、連絡は頻繁に取りたい。何してるか気になるし」
「は、はぁ……」
「他の男と話してほしくねーし、友達より何より、俺を優先して欲しい」
「…………」
「小森さん、いつもアイツらといる時もにこにこしてて、何でも楽しそうに頷いてるじゃん。俺も彼女には合わせて欲しいタイプだから────」



 ────無理だ。


 無理だとは思ってたけど本当に無理だ。これは地雷物件だ。友人達は、何故こんな人を紹介しようと思ったんだろう。


 というか、さっきからしおらしく聞いていれば、自分の希望ばかり押し付けてどんなつもりなんだろう。合わせて欲しいって何なの?相手あっての恋愛じゃないの?


 こういう男と付き合うことが、みんなの言う幸せなの?恋愛ってこういうものなの?


 私がギュッと拳を握って黙っていると、小池くんは何を思ったのか、私の肩を抱いてきた。そして、ゾワっと鳥肌を立てる私の耳元で、湿った声で囁く。