もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜





 先輩と視線が交わっていると、考えていることを読まれそうで少しだけ怖くなる。先輩の前だと、そんなに猫をかぶっていないから、その違和感は正解だ。


 だけど、それに気付かれたところで私は今の私を変えるつもりもない。友人の前では、みんなと同じことに興味がある私を装う。



「そうですかね?私意外にふわふわしちゃうところありますよ?」
「そうかなぁ……」
「あ、そういえば」



 私の内面を探る様な話題を変えたくて、大袈裟に両手をパチンと合わせる。



「男子との連絡頻度って、どれくらいが正解なんですか?」
「なに、今度はどうしたの」
「……実は、今日友人から私のことを気になってるっていう男子を紹介されたんですけど」
「え」



 何故か、一瞬先輩の声色が変わった気がした。その声はどこか低く冷たいもので、先輩は一気に真顔になる。