香坂先輩の、等身大以上の大人びた告白に、私の心はぐらりと揺れた。
自分で招いた結果なのに、辛い、苦しい、忘れさせて欲しい、そう縋ってしまいそうになる。
恋を忘れるには、新しい恋。そう早紀と彩菜がよく言っていた。それを鵜呑みにするなら、頷くべきなんだろう。
────だけど、他の誰かを代わりにしたところで、花宮先輩への気持ちが小さくなるなんて、どうしても思えない。
例え、辛くて悲しくても、自分で乗り越えなければ、私は新たな恋なんて出来ないと思う。
それに、例え香坂先輩が自分から提案してくれていたとしても、こんなの────。



