あのあと、近場のショッピングモールでお昼ご飯を食べて、ウィンドウショッピングをしていたら、あっという間に時間は過ぎていった。
隣にいる花宮先輩は、本当に楽しそうで、本当に幸せそうで。
けどそれは、仕方なく付き合った私を傷付けない為の笑顔だと分かっているから、どうしようもなく悲しくなった。
花宮先輩の恋人でいたい。けど、先輩を手放してあげなければならない。
過ぎてほしくない時間ほど、とても早く感じた。
帰り掛け、先輩はショッピングモールのすぐ近くにある大観覧車を指差し、あれに乗ろうと子供のように私の手を引く。
「私、観覧車ってあまり乗ったことないです」
「そうなんだ。俺は結構好きなんだよね、景色が良くて」
「そうなんですね」
観覧車に乗り込み、先輩と向き合って座る。
徐々に高くなっていく目線と、小さくなる景色をじいっと見つめていると、花宮先輩が口を開いた。



