もらってください、花宮先輩。〜君の初めてが全部欲しい〜





「二人で撮った写真なら尚嬉しい」
「待ってください、私今すごく間抜けな顔してた気がするっ……!」
「え、可愛いよ? 目がぱっちりしてて」
「それが間抜けな顔なんです!」
「あははっ、ほら次、行こう」
「もう……!」



 ご機嫌な先輩は、当たり前のように私の手を取り奥に足を進める。


 まるで岩場のようになった床の頂点に流れる光の滝に、ひらひらと降り注ぐ花びら。


 鏡の部屋に閉じ込められた、ピンクや黄色に変化する、映画の一場面を切り取ったような沢山のランプ達。


 光とクリスタルが降り注ぐ、息を呑むほど美しい、神秘的な光景。



 私がすごいすごいと言葉にする度、先輩はこちらに蕩けた視線を送り、優しく微笑む。


 やっと全てを回り終わり、興奮も冷めやらぬまま屋内から出る。突然明るくなった視界に目が慣れなくてふらりとすると、先輩は私の手を引き、近場のベンチに座らせてくれた。