────あれから3日後、放課後。
教室に花宮先輩が迎えに来てくれて、二人で廊下を歩いている時のことだった。
下校するのに私達の前を歩いていた生徒達が、まるで何かを避けるように廊下の端に寄っていく。
「え、どうしたんだろう……」
「奈湖、止まって」
「あ」
その何かの正体は、すぐに分かった。けど、いつもと様子が違う。
────だって。
「よぉ、奈湖」
「香坂先輩、髪っ、黒くしたんですね」
「おー、生活指導の教師に泣かれたわ。更生したのかって」
「ダメだよ奈湖、こんな奴と話したら」
「束縛野郎が」
「……なんだって?」
香坂先輩はなんと、明るく染めていた髪の毛が黒くなっていた。制服は相変わらず着崩しているけど。
バチバチし出した花宮先輩の腕を掴み、なんとか宥める。



