あんなに大人数に殴られ蹴られたら、いくら体格に恵まれてる香坂先輩でも、小さな怪我では済まない気がする。もしかしたら病院送りかも。


 そして明日、香坂先輩が入院したなんて噂が私の耳に届いてしまったら……。



「うううっ……仕方ない、仕方ないっ」



 私は罪悪感に負け、駅前にある交番に駆け込んだ。勿論、自分の素性はくれぐれも香坂先輩に伝えないようにお願いした。


 だから、すっかり安心していたんだ。


 ────私はこの行動に、激しく後悔することになるのに。





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