白い天井にあの日の情景が映し出される。何度も頭の中で反芻したあの日の情景が、今も鮮明にまぶたに焼き付いて離れない。

人影の少ない駅のホーム、やけに明るく乗客たちを照らす白熱灯、電車を降りる乗客たちの足音、私の声に足を止め、身を乗り出して私の言葉に耳をひそめた時の西島さんの真面目な表情、私の声に重なってホームに鳴り響く発車の合図のベル…―――――。



『今度、晩酌ご一緒してもいいですか?』





…………。




「爆死したい…」


 あの一言を思い出す度に私は死にたくなった。西島さんの答えを知らない分、余計に死にたくなった。私は一体何をやっているんだろう。何がしたいんだろう。


自分より一回り以上も年上の男性を誘うような真似をして。彼のあの柔らかな微笑みが、忘れられない。