「....桃忘れ物はないな?」
「うん、大丈夫だよお父さん」
今日私はここ(日本)を飛び立つ。
戻ってこれるかは分からない。
私は私の人生を生きたい。
今度こそ自由に──
「ももーっ!」
「ももちゃーん!」
搭乗ゲートへ向かおうとした時後ろから名前を呼ぶ声が聞こえた。
───っ!
振り返ると朱里と圭人先輩の姿がそこにあった。
「な、なんで....っ」
「当然でしょ!親友....なんだから!」
朱里....
「ちゃんと頑張ってきてね」
「うん!」
ぎゅっと朱里と抱き合う。
この感覚を絶対忘れない。
「ももちゃん....」
「圭人、先輩....」
「俺も、待ってるよ」
先輩はやっぱり最後まで優しくてその優しい笑顔に私は頷くことが出来た。
「はい」
必ず.....
「もも、そろそろ」
飛行機の時間がもう少しらしくお父さんが私に声をかける。