「──ごめん」
いったい何度目のごめんなんだろう....
''ごめん''そう言われるのはわかってた。
わかってたのにやっぱり苦しい....
こんなに好きなのに。
なんで、届かないの....っ!
先輩に好きって伝えたよりも心の中で唱えた好きの方が何倍も多い。
それぐらい私は先輩が.....
「好きです....大好きです.....」
ごめんと言われたにも関わらず気づけば口からその言葉が溢れていた。
これで最後になるかもしれない。
先輩の顔を見れるのも。
だから私はわがままを言ってしまった。
ほんとにサイテーなことをしたのはわかってる。
けど、逆効果だった。
触れてしまった唇は止めていた感情を出すには十分だった。
「先輩、大好きでした、ありがとう....さよなら──」
このまま居たらきっと行けなくなる。
先輩、また戻ってきます。
先輩に背を向けて走り出した。
公園の近くに止まっている車に乗りこみ私はお父さんとお母さんと空港に向かった。