「好きです....大好きです....」
微笑む花園の笑顔に胸が締め付けられる。
「先輩、最後にわがまま言っていいですか?」
服の裾を小さく掴む花園の手はかすかに震えていて、俺は刻りと頷いた。
「ありがとうございます....少しだけ、少しでいいので目を瞑っていて貰えませんか.....っ」
指示通り目を瞑る。
「わがまま聞いてくれてありがとうございます」
ボソッと小さい声で耳打ちする花園。
その後すぐだった。
唇に柔らかい感触がした後。
「先輩大好きでした。ありがとう....さよなら──」
パッと目を開けると後ろに振り返り走り出す花園の目元に涙が流れていた。
そして気になるのは''さよなら''とゆう台詞とくに深い意味は無いのか?
花園の考えていることがわからなかった。
──そして後日俺は事の重大さに気づくことになる。