屋上のドアを開ける。
「先輩っ!おまたせしま....した...」
あれ....?
居ない....
え、もしかしてすっぽかし、とか?
急に不安になってきていると。
「わりぃ遅れた」
息を切らしながらネクタイを緩める先輩が一歩二歩と駆け寄ってくる。
さっきまでの不安がスっと一気に消えた。
「へへっ全然待ってませんよ」
「何笑ってんだよ、変なやつ」
そう言いながらもフッと笑う先輩に少し期待してしまう。
優しい笑顔をずっと向けていて欲しいと願ってしまう。
「何ボーッとしてんだよ、食うぞ」
軽く私にデコピンをしてパンをかぶりつく。
まるで小さい子供みたい。
私もその隣でお弁当を食べ始めた。
ほのぼのとしていてなんだか心地いい。
こんな時間が永遠に続けばいいのにと思った。