「ありがとう」
そんな嬉しそうな顔で言わないでください。
お礼を言わなきゃいけないのはわたしの方なのに....
坂下先輩はどこまでそんなに優しいんですか。
もう午後の授業だってとっくに始まっているのに。
私なんかの為にこんなに時間を割いてくれるなんて。
「....先輩は、どうして...っそんなにっ優しいんですか....っ」
こんなこと言われても困るよね。
「ごめんなさいっ気に.しないで──
「なんでだろうね....ほっとけないんだ、花園さんのことが...」
スっと頬に手が添えられる。
目じりに溜まった涙を親指でそっと拭ってくれる。



