ヤバ、後5分でHR始まるわ。

私、月城理翠はそんなことを考えながら呑気に校門をくぐっていた。

教室についたのはHRの始まる1分前。

ふー、セーフッ。間に合って良かったー。

そんなことを考えながら私の席の隣の愛しの親友、聖堂椿に声をかける。

「おはよー」

たったそれだけの言葉。それなのに私が声をかけたとたん、一周してしまうのではないかと思うほど速いスピードで首を回し涙目で私を椿は見つめた。

「どしたn

「うわぁぁぁぁぁ(泣)もう来ないかと思ったぁぁ(泣)」

  ………ごめん…」

うん、何か想像はついてた。でもまさか泣きつかれるとは思わないでしょ。だからちょっとフリーズ気味だ。

そんな私に椿は大丈夫?と顔を覗きこんでくる。

私はこの時思った。


いや、可愛いぃかよ!
可愛いすぎだろ!

「理翠?…ねぇ、理翠?」

あぁ、ごめん。またフリーズモードに入ってた。いやでも本当に可愛いな。同じ女か疑うくらい可愛い。

「もう!理翠!心の声漏れてる!…いっつも可愛いって理翠は言うけど…理翠の方が何倍も可愛いよ?」

はい、天使。天使超えて女神だ。ありがとう、神様。こんな可愛い子を隣の席にしてくれて。
ありがとう。

「ダメだ、理翠が全然反応しない…。いい加減にして!」

「ぁあ、ごめん」

「いい⁉︎今日なんでこんなに学校来るのが遅くなったのか、後できちんと聞かせてもらうからね!」

そう言って首を正面に向けた椿さん。

こうやってツンツンしてる椿も可愛いな、

私はどうやってもニヤけてしまう顔を隠すようにして片手で覆うと椿と同じく身体を正面に向けるのであった。